四国新聞 週刊 ワンアナザーより

動物と人とのよりよい関係

シェパード専門犬舎

チャンピオン育成に情熱

日本警察犬協会は、全国の警察犬の審査会を開催している。
主なものは警察犬指定七犬種を対象とした「日本チャンピオン決定審査会」と、「シェパード限定の「オールジャパングランドビクター展」だ。
これらの審査会で、優秀な成績をおさめる犬を輩出している犬舎が県内にある。

体づくり
高松市香川町の「シェパード専門犬舎・愛犬協会」。代表の鎌田茂日彦さんは、元県警警察犬嘱託指導手で、警察犬の育成で約三十年の経験を誇る。
二〇〇五年十二月に行われた「オールジャパングランドビクター展」全国大会では、同犬舎所属のジュディ・フォン・ハウス・ランボー号が、入賞に当たるビクトレスR賞を受賞。チャンピオン審査会の四国管区大会でも、二〇〇三年から二〇〇五年にまで、同犬舎所属の犬が連続してチャンピオンに輝いている。
同犬舎では愛犬家から犬を預かり、警察犬としての訓練を行い審査会に出場させる。
能力が高く、しかも体形が美しい犬に育てるには、血統の良さに加えて、人の手による体づくりが不可欠だという。
鎌田さんは「血統半分、体づくり半分」と力説。そのため、全身の体形のバランスから、毛並みや体の各部の細かな変化まで、毎日、犬の状態を観察する。
「たとえば足先の握りが弱くなったら、走り込ませてしぼるとか。走り込みは、人間も一緒に自転車でダッシュしますから、こちらも体力勝負。生き物相手なので、訓練は三百六十五日休みなしです」と言う。

人間との信頼
 「訓練は犬と人間の信頼関係でで成り立つ。犬は裏切りません。ちゃんと訓練すればこたえてくれる。いい犬と出会い、よりよく育ててお客さんに喜ばれるのが一番うれしい」。
 鎌田さんによると、シェパードの魅力は、精かんさと品性の良さだそうで、「飼い主には絶対服従でしつけさえきちんとすれば、指一本で言うことを聞く。一般家庭でも飼いやすい犬種です」と強調する。
 最近は特に防犯用として、全国的にシェパードの人気が高まっており、小学生の登下校時に犬が付き添うなど、防犯目的の訓練方法も模索している。
「体形のいい犬の血統を維持し、シェパードの良さを一般に広く伝えるのも犬舎の役目」と鎌田さんは考えている。
 同犬舎では一般家庭向けの犬のしつけや、ブリーダーとの直接取引きによる子犬の販売なども行っている。           
             (ライター・正岡 美香)